勢至菩薩

勢至菩薩(せいしぼさつ)は、本来は大勢至菩薩(だいせいしぼさつ)といいます。
サンスクリット語では、マハースターマプラープタで、漢字にすると大勢至です。
サンスクリットの音訳で、摩訶那鉢(まかなはつ)とも呼ばれます。

勢至菩薩はなんと、菩薩の中でも最強といわれます。
阿弥陀三尊の右側の脇侍で、たくさんの寺院に像があり、国宝にもなっています。

「大阿弥陀経(だいあみだきょう)」の中では、たくさんの菩薩の中で最も尊い2人の菩薩の1人と説かれ、
そのもう1人が、観音菩薩です。

勢至菩薩は、光明、智慧が、第一だと説かれています。光明というのは智慧と同じ意味ですが、
力や働きのことです。最も力のある菩薩が勢至菩薩というわけです。

勢至の意味

勢至菩薩は、正式な名前は大勢至菩薩です。それを略して勢至菩薩といわれます。
なぜ、勢至なのかというと、ものすごい力、勢いがあるからです。

例えば「観無量寿経かんむりょうじゅきょう」によると、

勢至菩薩は、智慧の光ですべての人を照らし、三途を離れさせるこの上ない力を持っているから、
大勢至だいせいし」と言われるのだ、と教えられています。
つまり、大宇宙が振動して震えるほど、勢いがものすごいというわけです。

勢至菩薩のご利益

勢至菩薩は、阿弥陀如来(あみだにょらい)の脇侍(きょうじ)で、実は阿弥陀如来の智慧を表す菩薩です。
智慧というのは、光明とも同じです。
光明というのは力のことなので、勢至菩薩は、阿弥陀仏のお力ということになります。
諸仏の王である、阿弥陀如来のお力なので、菩薩の中でも最強なわけです。

阿弥陀仏のお力は、私たちの苦悩の根元を断ち切って、絶対変わらない、絶対の幸福にする働きがあります。
そのお力を勢至菩薩が表しています。

絶対の幸福になった人は、勢至菩薩をはじめ、たくさんの菩薩から守られるようになります。
もちろん昼も夜もずっとです。

おわりに

苦悩の根元が断ち切られ、絶対の幸福になった人を白蓮華(びゃくれんげ)にたとえられます。
それを、分陀利華(ふんだりけ)ともいいます。


白蓮華は、極楽浄土に咲くといわれ、妄念(もうねん⇒迷いの心)や欲望に
惑わされない清らかな仏の心を意味します。

それは生きている時になれます。
そして、この世で絶対の幸福になると、観音菩薩も勢至菩薩もすぐれた友達になってくれます。

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